●最後の暗い扉
ナチュラルマイナー(自然的短音階)、ハーモニックマイナー(旋律的短音階) と
紹介してきましたが

最後にメロディックマイナー(旋律的短音階)について説明していくよ。
この音階は三つの音階の中で少し特殊なルールがあるんだ。

「特殊?」

まずはメロディックマイナーの音階を見てみましょう。
(上行型)
10
26

(下降型)
41
34

「ちょっとまって下さい?」
「上行型、下降型?と2種類あるようですが・・」
そうなんです。メロディックマイナーはメロディが上がる時は「上行型」
メロディが下がる時は「下降型」のスケールで演奏するルールがあるんだ。

どうしてそんな面倒なことをする必要があるのか
その秘密に探っていこうと思います。

まずはAメロディックマイナーの上行型の音階を聴いてみましょう。
(上行型)
26

凛とした雰囲気の切ない音階ですよね。

では(下降型)を聞いてみましょう。
26



この音階、どこかで聴いたことありませんか?
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実は、下降型はAナチュラルマイナーと同じ音階なんです! 
つまりメロディが上がる時は 「メロディックマイナー」に適したダイアトニックを
下がる時は「ナチュラルマイナー」に適したダイアトニックを当てはめればいいって事なんだ。 



●上行型の音階にフォーカス
26
Aメロディックマイナーの音階を見てみましょう。
「ラシドレミファ#ソ#ラ」
重要なポイントは「6番目と7番目」が半音上がって「ファ#ソ#」になっていますね 

他のキーでも同様に、例えばEナチュラルマイナーでは
「ミファ#ソラシド#レ#ミ」という音階になります。

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●どうして下降型はナチュラルマイナーなの?
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もし、下降型が上行型と同じスケールでメロディを下降させたときに
何かしらの問題が生じるという訳なんです。

その問題は何か言いますと・・

最初の「ラ ソ# ファ# ミ」の動きが
Aメジャースケールっぽく聞こえてしまうからなんです!

メロディが昇るときが問題なかったのに下がる時は一瞬明るく感じるのが
違和感になってしまったのです。

なので、メロディックマイナーは下がる時はナチュラルマイナーにすることで
その問題を解決することにしたんだ。
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●メロディックマイナーの4和音
メロディックマイナーのスケールに沿って3度、5度、7度の音を重ねて
ダイアトニックコードを作ってみましょう。

(上行型)
36

(下降型)
41

ハーモニックマイナーと違って6度の音も半音上がっているので
構成されるコードがちょっと違っていますよね。

下降型はナチュラルマイナーと同じ音階なので、当然ダイアトニックも
ナチュラルマイナーと同じ4和音になっています。



●ファンクション(機能)の取扱は?
下降型のファンクション(機能)は次のようになっています。
(上行型)
36
(下降型)
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赤丸が主要三和音にあたるコードで
Tはトニック、Sはサブドミナント、Dはドミナントです。
もちろん、同じ機能であれば交換して扱えるルール、代理コードも可能です。

ここで考える事はナチュラルマイナーとメロディックマイナーの機能が
行き来する可能性があるということです。
上行型と下降型で機能をそれぞれ区別して考える必要があるってことですね。



●最後に三つの暗い扉のポイントをおさらいしましょう。
【1】ナチュラルマイナー
16

「メジャースケールを2度、平行移動することで平行調のマイナースケールを作れる。」

【2】ハーモニックマイナー
30

「ナチュラルマイナーの7度の音だけ半音上に上がる」

【3】メロディックマイナー
44

「ナチュラルマイナーの6度、7度が半音上に上がる」
「メロディが下がる時はナチュラルマイナーになる」

長くなりましたが、マイナースケールの三つのルールを覚えたかな?
暗く、悲しい曲を作りたい時に役にたつので覚えて損はないはずです!