●前回のおさらいから
ドミナントのセブンスコードは完全4度上の、トニックへ向かいたがる性質
それをドミナントモーションという。
Cメジャースケールでは
G7 から4度上の C に向かいたがるというということになるのが
わかったと思います。

それ以外のスケールでも同じで、例えばFメジャースケールでは
5番目の C7 は4度上の F に向かいたがると言う。

実はどの音も完全4度上に進みたがる性質を持っているんだ。

その理由はなぜか?
それは普段は見えない、隠された秘密の音が関係しているんです。


●隠された秘密の音を探ろう!

まず、ピアノで一番中央の  の音を聞いてみます。


何の変哲もない、ド だなぁと分かりますよね。
鳴っている音はもちろん ド だけだって誰でも分かりますよね。


しかし!
「ド」以外の音も実は鳴っているんです。
一体それはどういう事なのか、納得いきませんよね。
でも、このピアノの音はド以外に ミやソ、シ♭まで鳴っているんです!

では実際に、ドを抜いたミやソを聞いてみましょう。

どうでしょう。
何となく、キーンと鳴って感じる音があることは分かると思います
これを倍音(オーバートーン)と言うんだ!
この倍音のことを別名ハーモニクスと言ったりすることもあるから
覚えておこうね!

倍音というのは、基準となる音から倍ずつ増えていくから倍音といって
例えば1オクターブ下のドを鳴らすと・・

1倍 ド 132Hz(ヘルツ)
2倍 ド 264Hz
3倍 ソ 396Hz
4倍 ド 528Hz
5倍 ミ 660Hz
6倍 ソ 792Hz
7倍 シ♭924Hz
・・・
といった感じに、倍ずつ増えていく音が並んでいるんだ。
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●ド以外の音も鳴っていることは分かったけど

では、どうしてどの音も4度上の音へ向かいたがるのか
その話に戻します。

もう一度1オクターブ下のドの倍音に注目してみると
1倍 ド 132Hz(ヘルツ)
2倍 ド 264Hz
3倍 ソ 396Hz
4倍 ド 528Hz
5倍 ミ 660Hz
6倍 ソ 792Hz
7倍 シ♭924Hz

赤い文字に注目してください。
「ド ミ ソ シ♭」の音が鳴っているということが分かりますよね。
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つまり「ド」を押すだけで
C7(シーセブンス)という和音が既に鳴っているんだ!
こちらの章でも紹介しているんだけど
セブンスコードにはトライトーン(悪魔の音程)が含まれていて
ミはファに、シ♭はラに解決したがる性質があるので・・

ファとラが含まれている完全4度上のFコードに行きたくなるっていうワケです。


倍音に「セブンスコード」が含まれていたから
どの音も完全4度上に行きたくなる性質があるってことが分かったかな?

●真のドだけを聞いてみよう
ピアノでドを押さえるといろいろな音が同時になっていることが分かったけど
本当にドだけしか鳴ってない音を聞いてみたいですよね。
この全く倍音が含まれていない純粋な音のことを「純音」という!
純音は正弦波(サインウェーブ)という音を鳴らすと聞くことができるよ
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聴力検査みたいですよね。
あの検査はピーという音、まったく倍音が含まれていない「純音」を聞かせて
音をちゃんと聞き取れるかどうかを確かめる検査なんだ。

●倍音を直接みる方法
倍音を目で見る方法があって「スペクトルアナライザー」というものを使うと
実際に見ることができるよ

ピアノの低いドの倍音を見てみましょう。
(スペクトルアナライザー)
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ピアノの音にはいろいろな倍音が含まれていることが分かりますよね。


では次に、さっきの純音のドをスペクトルアナライザーで見てみましょう。
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純音では、132Hzのドしか含まれていませんね。

最近だと作曲のソフトを買うと、オマケでこのスペアナ(略称)も付いてくるから
すぐ、倍音を目でみることができるよ。

例えば、ピアノの倍音の音量を変えたりすることで
ピアノの音質を微調整したりするんだけど、その道具のことをイコライザーというんだ。

iPodという音楽プレイヤーにも「Pops」とか「Jazz」とか聞きたい音楽に合わせて
音質調整してくれるイコライザーの機能があるよね。

あれは音楽の倍音を調整してくれている機能なんだ。


●ピアノとギターの違い

世の中にはいろいろな楽器がありますよね。

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ピアノとギターを区別すぐカギも、実は「倍音」なんです。

他の楽器でも同じように倍音が鳴っているのですが
ピアノとギターでは「倍音の立ち上がり方」と「配列」が微妙に違うんだ。

ピアノは楽器の王様と言われるくらいだから
とても精密に調律されていて、純正律という倍音の並びになっているんだけど
他の楽器ではその並びになっているとは限らないってワケ

倍音の並び方は楽器によってさまざまだから
「スペクトルアナライザー」でいろいろな音を分析してみるといいかもね。

次の記事へ続く